漆の実のみのる国

『漆の実のみのる国』読了。藤沢周平最後の作品らしいです。貧窮に喘ぐ米沢藩の財政建て直しにまつわる物語。藤沢作品の場合、史実をよく調べてあるあたりがリアリティを増していることが多いわけですが、この作品は、これでもかというくらい細かいところまで調べてあるなぁという感じです。話しの本筋よりも多いくらい。(謎)

領地がどんどん減じられ、華美を好む先代からの流れもあり、米沢藩の財政は苦しい。追い討ちをかけるように飢饉が襲う。悲惨そのものの米沢藩をどのようにして救えばいいのか。最後はどうなるのかと思ったら、どうにもならずに終わってしまいました。世の中、ハッピーエンドばかりじゃないですね。

漆の実のみのる国 上 (文春文庫)

漆の実のみのる国 上 (文春文庫)

漆の実のみのる国 下 (文春文庫)

漆の実のみのる国 下 (文春文庫)