藤沢周平『又蔵の火』読了
藤沢周平、初期の短編集『又蔵の火』を読みました。作者自らが 主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ
と述べているように、藤沢周平作品としては暗い話しが多く、後の円熟味あふれる作風からすると、初期の作品らしく荒削りなところも目立ちますが、逆に新鮮な感じがして面白かったです。
藤沢作品に脇役でよく出てくる「悪相の男」たち(ちょろっと出てきて主人公にすぐにやっつけられる人たち)にも、このような物語があったのだなぁと思いました。
直木賞受賞作品の『暗殺の年輪』なんかもまだ未読なので、次も初期の頃の作品を読んでみようかな。
- 作者: 藤沢周平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/04/07
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (6件) を見る