藤沢周平『又蔵の火』読了

藤沢周平、初期の短編集『又蔵の火』を読みました。作者自らが 主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ と述べているように、藤沢周平作品としては暗い話しが多く、後の円熟味あふれる作風からすると、初期の作品らしく荒削りなところも目立ちますが、逆に新鮮な感じがして面白かったです。

藤沢作品に脇役でよく出てくる「悪相の男」たち(ちょろっと出てきて主人公にすぐにやっつけられる人たち)にも、このような物語があったのだなぁと思いました。

直木賞受賞作品の『暗殺の年輪』なんかもまだ未読なので、次も初期の頃の作品を読んでみようかな。

新装版 又蔵の火 (文春文庫)

新装版 又蔵の火 (文春文庫)